6巻
6巻
B6版 p192
伊豆へお泊りデートに行き、恋人同士となった吉家と平良。音信不通となっている家族や姉との確執、昔付き合っていた彼女とのこと、仕事のこと、そしてタワマンに引きこもった理由を語る平良。弱さを隠さず、裸の心を見せてくれる男性の姿にこれまでにない愛しさを感じる吉家は、少しずつ結婚を意識し始めて…!? 同時収録「隣の微熱」VOL.3は高校時代の真霜が、吉家にいよいよ告白!
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集英社マーガレットコミックス 2022年11月発売 桃森ミヨシ
6巻の感想
三人が高校生になっているパラレルワールドの表紙!真霜くんときっかは同じ高校で、平良さんは別学校の先輩という設定だそうです。でも10歳年が離れてるから、三人が高校生として過ごすことはありえないんですけどね笑
そんなこんなの6巻は、前巻から引き続き平良さんの過去編の続きから始まり、平良さんがタワマンに引きこもった理由が明らかになります。その理由というのが、家族や恋人からの裏切りがきっかけではあったにしろ、直接の原因ではないんですよね。まさに平良さんを引き籠らせた原因は「自分自身の仕事への信念を自分で破ってしまったこと」だったんです。これがもう、神回で。この独白を受け止め、プラスに転換してくれたきっかという人物に、平良さんは堕ちてしまいます!!!人が人を愛する瞬間を見ることができる神回が含まれた6巻。読み応えありました〜〜!!!
でもここから分かることは、平良さんという人が何より仕事を重視している人だっていうことなんだよなあ。
家族よりも、恋人よりも、仕事に生きる。そういう人なのかもしれません。
平良さんがここまで作曲家として出世したのも、ひたすら「自分ではない人や物を輝かせるために」曲を作り、真摯に向き合ってきたからこそ。その心はめちゃくちゃピュアなんですよね。まるでモーツアルトのように。
ただ、きっかに対しこれまでとは違うレベルで溺れてしまった平良さん。どんどん独占欲が出てきて、男としての側面が大きくなっていきます。きっかの職場に車で迎えにきてくれて、「つきあってます」とみんなの前で笑顔で嬉しそうにさらっと公言する。
きっかの職場はドラマのスタジオであり平良さんの職場でもあるので、顔見知りばっかりなはずで。そんな場所で「彼女は僕のものだから手をださないでね」と釘をさしたようにも感じられるんですよね。なかなかのオスみですよ平良さん。
そしてどんどん「モテてきた人生の37歳」らしさが溢れてきてて。
歳に似合わないかわいい平良さんに一目惚れしたきっかとしては、オスみを増す平良さんへの恋心が続くのか…?でもきっかも平良さんへの尊敬や感謝も生まれていますから、恋人として十分やっていけはするはずなんだけど。しかしそうは問屋がおろさなさそうな雰囲気もあったり。
だって真霜くんがいるからねーーー!!!!
平良さんと心が結ばれる素晴らしい6巻でしたが、隣の微熱でしっかりと存在感を増していく真霜くん。
捻くれ者だった高校生の真霜くんがどんどん素直になっていく様は、初々しい青春を感じさせて甘酸っぱい。大人の本編とはまた違った、真霜くんの素の部分が面白くてきゅんきゅんしてしまう。
こうして見ると、大人の恋愛と学生の恋愛、両側面から読めるすごくおいしい構成になっているんだなあ。
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